2025年10月28日
PowerCMS 4から6への移行ガイド — EOL前に確認すべき設定・環境変更・手順まとめ —
PowerCMS 4のサポート終了に備えて
PowerCMS 4は2026年3月をもってサポート終了(EOL)を迎えます。
一方、最新版の PowerCMS 6.7 では、既知の不具合が解消され、保守性・安全性・将来性の面で着実な改善が図られています。
ただし、6系では一部の「環境変数の初期値」が変更されており、これを把握せずに移行すると、従来とは異なる挙動になるケースがあります。
また、DB(MySQL)ダンプ手順における --hex-blob オプションの付与など、実際の運用では、見落としやすいポイントもいくつかあります。
事前に整理して確認しておくことで、移行をスムーズに進めることができます。
互換性ポイント:初期値変更を見落とさない
PowerCMS 6では、一部の環境変数の初期値が変更されています。代表的な例として以下の2つがあります。
これらを初期値のまま利用している場合、6系では挙動が変化する可能性があります。
そのため、mt-config.cgi 内で明示的に設定することで、従来動作に固定できるかを確認してください。
運用面では特に、公開同期処理や問い合わせフォームのセキュリティ要件 などで差異が生じやすいため注意が必要です。
PowerCMS 6での動作環境変更:HTML::Entitiesモジュールの追加
PowerCMS 6では動作環境に変更があり、Perlモジュール「HTML::Entities」のインストールが必要になっています。
アップグレード前にサーバー環境へ当該モジュールが導入されているかを確認し、未導入の場合は追加してください。
計画と手順:安全な移行のために押さえるべき実務ポイント
1. 影響範囲の棚卸し
現行環境の mt-config.cgi と PowerCMS 6 のサンプル設定を比較し、未設定=既定値依存の項目を洗い出します。
その中に、前述の初期値変更対象が含まれていないか確認しましょう。
2. 検証環境での再構築
本番同等環境(DB・/mt-static・アップロード資産を含む)で、再構築・承認フロー・検索機能などの既存機能が正しく動作するかをチェックします。
3. DBバックアップ手順の見直し
MySQLを利用しているケースが多いため、バックアップ・リストア時の mysqldump コマンドに--hex-blobを付与し、絵文字やバイナリデータを確実に保全することを推奨します。
まとめ:移行の鍵は「初期値の可視化」と「環境要件の確認」
PowerCMS 4から6への移行で押さえるべきポイントは、次の3点に集約されます。
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初期値変更点の可視化と明示設定
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動作環境の更新確認(HTML::Entities モジュール)
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DBを含む移行手順の堅牢化(--hex-blob/リストア検証)
これらを踏まえ、運用設計(公開同期・フォームなど)を「既定値任せ」から「明示設定」へと見直すことで、移行後の安定運用を最短で実現できます。
必要に応じて、弊社ではお客様環境のmt-config.cgi差分棚卸し(before/after)シートの作成もお手伝いしています。
さらに、移行作業自体を安全かつスムーズに進めたい場合は、弊社のアップグレード代行サービスのご利用も可能です。
EOLを迎える前のこの時期に、ぜひアップグレード計画の策定をご検討ください。
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