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2019年07月30日

「Japan Accessibility Conference - digital information vol.2」参加レポート

情報アクセシビリティに関する国内最大級のアクセシビリティカンファレンス「Japan Accessibility Conference - digital information vol.2」にブロンズスポンサーとして協賛いたしました。
いろいろな方のお話が聴講できるということで、はりきって参加してきました。

タイムテーブル

このカンファレンスでは、3つの講演が同時進行されるので、悩んで悩んで講演を選択しました。私が聴講してきたセッションをご紹介します。

  • アクセシビリティとAI
    大島 友子(日本マイクロソフト株式会社)
  • Accessibility testing for modern web application
    桝田 草一(株式会社サイバーエージェント)
  • サービス運営しながら小さくコツコツ始めるアクセシビリティ改善〜 Backlog の事例
    藤田 正訓、中川 裕二(株式会社ヌーラボ)
  • 全盲エンジニアが iOS / Android / WebUIエンジニアにダメ出しした結果
    中根 雅文、阿部 諒、松本 康男、山本 伶(freee株式会社)
  • Webアクセシビリティのスキルがビジネスへと繋がる時代
    中村 精親(株式会社ミツエーリンクス)
    秋山 豊志(株式会社コンセント)

アクセシビリティとAI

Windows の簡単操作の設定でベータ版の「視線制御」という新しい機能の動画が紹介されました。視線追跡デバイスを接続すると、アイトラッカーで眼球の動きをとらえ、マウスカーソルを操作できます。これはゲームでも使用されているデバイスなので誰でも購入可能とのこと。試してみたいですね。
Office365 に搭載されているイマーシブリーダー、キャプション字幕が印象的でした。イマーシブリーダーを早速使ってみたところ、読み上げている一文にライン、読み上げ箇所はハイライト表示されるので視認性が高く、音声も口頭で話す際の区切りに近い形での読み上げで聞きやすかったです。

今まではアクセシビリティ対応というと、追加する、別のもの、という印象でしたが、誰にでも使える便利なものに変わってきているなと実感しました。 SeeingAI というカメラに映ったものをすぐに読み上げるアプリも、写ったものを読み上げるレスポンスがすごく速くてとても興味深かったです。

Accessibility testing for modern web application

開発プロセスにおけるアクセシビリティテストと WinTicket の WCAG 試験結果についてのお話。実は一番楽しみにしていたセッション。
各開発プロセスにおけるアクセシビリティテストを実施、デザインレビューから lint でチェック、アクセシビリティを損なう可能性のあるコードを設定しておき、エラーを発見できるようにしているそうです。
スナップショットテスティングという、コードとレンダリングを照らし合わせるチェック方法を紹介されました。また、どこを気をつけたかなどのヒアリングをしてから、品質の対応方針を決めると、開発側の負担が軽減されるとのことでした。
いつもアクセシビリティ対応で開発側にいろいろと注文をつけてしまいがちです…協力しながら品質を担保すること、大事ですね。

サービス運営しながら小さくコツコツ始めるアクセシビリティ改善〜 Backlog の事例

使いづらい、という当事者からのフィードバックがあり、アクセシビリティに取り組むことになったとのこと。まずは実際にスクリーンリーダーを使ってみて体感したそうです。これってとても大事なことですよね。メイン機能を対象範囲とし、対応度を決め、スクリーンリーダー利用者でも操作できるようにしたそうです。
実際に問題点のある箇所の提示、WAI-ARIA 属性を使って、どのように対応したかなど事例が紹介されたのでイメージがしやすかったです。その中でも簡単に対応できるものやコストをかけてもやるべき項目などをピックアップしてあり、とても参考になりました。
一気に改善するのではなく、少しずつでもいいので進めることが大事、とおっしゃっていました。またマネージャー辺りの人から進めるようにしないとなかなかうまく起動しないという話もでていました。

全盲エンジニアが iOS / Android / WebUIエンジニアにダメ出しした結果

freee のエンジニアさんたちのお話。中根さんのお話が聞ける!ということで聴講しました。
実際の中根さんからのダメ出しフィードバックを聞いていると、実際にスクリーンリーダーを利用していないとわからないことが多いと感じました。アイコンFont やチェックボックスの幅が「 0 」だと存在しないことになるので読み上げないそうです。またすぐに読み上げないページはページ移動する可能性が非常に高い、ということも初めて知りました。(視覚障害者は 1 秒が長く感じるそうです)
アクセシビリティの関連情報はリファレンスなどを見て、とにかく試す、当事者にきく(中根さん)、htmlでできるだけの対応をする、というものでした。アクセシビリティ対応にかける時間については、週1で自分が課題としていることに取り組める日があるそうで、普段取れない分そこに当てているそうです。とてもいい制度ですね!
また、これは使えている!というフィードバックもぜひほしい、ということでした。

Webアクセシビリティのスキルがビジネスへと繋がる時代

まずはそれぞれの会社が、どのようにしてアクセシビリティに取り組んできたかというお話がありました。
ミツエーリンクスの場合は、利用者や利用環境、閲覧環境の多様化により、アクセシビリティが重要であると考え、専門性の特化、今後の情勢、ブランド強化をしてビジネスにつなげてきたそうです。ブログや社外向けセミナーで情報発信をしていき、アクセシビリティに特化したサービスを少しずつ増やしていきました。
コンセントの場合、情報をわかりやすく伝えたり、仕組みを作る仕事が多かったため、アクセシビリティはデザインに含まれるという考え方あるそうです。2016年に障害者差別解消法を考慮した、レベルAA準拠したサイトを作るアクセシビリティ案件を受けたことが転換に。職種横断の専任チームや社外を巻き込むためのチームを作ったり、アピール材料として制作以外のセールスとアクセシビリティの動機を考えたりすることも。また、Webアクセシビリティの観点を含めて何か新しいことができないか、会社の強みとアクセシビリティを絡めて考えているそうです。
ニーズとしては、他制作会社へのコンサルティング、ガイドライン、方針、マニュアル作成などが多いようです。海外展開などでアクセシビリティ観点の必要性があるとか。

最後にアクセシビリティが必要性があるということを自分で信じて、以下の 4 つを継続していくことが大事、というまとめでした。

  1. 知る:まだまだ当たり前ではないので、アクセシビリティ部門以外の人に知ってるもらう必要がある
  2. 組む:制作と営業、マネージャークラスなどいろんな人コミュニケーション取って連携していく、パートナーとの連携
  3. 言う:サービスとしてリリース、イベント登壇、いろんな人とのネットワーク、社内外への発信、自社サイトの活用
  4. つかむ:既存案件との絡み、クライアント、アサインしてもらえうようにする、他社でチャンスをつかむ

すべてのセッションを聴講して

どのセッションも内容が濃く、参加できてよかったです。アクセシビリティ対応をしている弊社ですが、他社での実際の事例を交えてのセッションで、実装側と当事者の両方の話が聞けたことは、大きな収穫でした。障害者差別解消法の施行や2020年のオリンピックで、アクセシビリティの需要や認知度は高くなっていますが、今以上に発信していくことが重要になっていきそうです。

弊社では一緒に働く仲間を募集しています。ぜひ一緒にアクセシビリティを盛り上げていきましょう!

アルファサードの webアクセシビリティの取り組み

弊社では、web アクセシビリティ向上への取り組みとして、無償ツールの提供の他、「 JIS X 8341-3 」への準拠を支援する「 PowerCMS 8341」の開発・提供、各種サポートサービスを行っています。評価版もございますので、実際にお試しの上、安心してお使いいただけます。お気軽にお問い合わせください。

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Web アクセシビリティに関する弊社製品・サービス

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「 JIS X 8341-3:2016」準拠支援ツール

導入事例:公益財団法人 長寿科学振興財団様 「 Webアクセシビリティへの対応と、PowerCMS クラウドの使いやすさ、運用への安心感が選定の決め手となりました。」

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「 JIS X 8341-3:2010」( WCAG 2.0)の達成基準に基づき、画像の背景色と前景色のコントラストを確認するソフトウェア
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